Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate

Aozora Bunko

ゆうべの洞穴の宿り、けさの侍従の死、それらのことを考えると、二人は殆んど夢のようであった。彼は一種の魔法使いで、その不可思議の魔力に魅せられて、自分たちはもう魂をぬき取られているのではないかと二人は疑った。取りわけて小坂部にはその疑いが強かった。かの眇目の男は異国から日本へはるばる渡来して、何物をかたずね求めるために津々浦々をさまよっていたと言った。そして、都までのぼって来て、とうとう自分というものを見付け出したと言った。それが何の意味であるやら、もとより確とは判らないのであるが、ともかくも彼は小坂部という一人の若い女子を見付け出して、その獲物をどこかへ誘ってゆくのではあるまいかとも思われた。それがかれに取っては限りない不安であった。

「さりとて、ここで彼に別れては行くさきが案じらるる。道しるべが無うても、行くところまでは行かるるであろうか。」

「なんの、子細ござりませぬ。」と、采女は頼もしそうに言った。「いっそこれまで参りましたら、かねてのわたくしの意見の通りに伯耆の大山へゆき着いて、かしこい修験者の許にしばらくはお忍びなされませ。心の底の得知れぬ異国の奴、われわれをだまして誘い出して、敵方へ人質に渡すなど、あるまいことでもござりませぬ。