Classici giapponesi con furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Leggi 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 203.094 caratteri · 411 schermate
播磨路――姫山――それを聞かされて、小坂部は少しく驚かされた。
「おお、いつの間にか播磨路まで……して、采女は……。」
「亡き人を伴うては道中の難儀、かしこに埋めてまいりました。」
「かしことは……。」
「采女殿の討たれた場所から程遠からぬ丘の上、古い社の池のほとりに……。」
「その時、わたしはなんにも知らなんだであろうか。」
「ただ夢見る人のようでござりました。」
と、眇目の男はほほえんだ。「それからわたくしが肩にかけ又ある時には路ゆく百姓の馬の背を借りて、ようようこれまで御案内申しました。」
それで自分がここまで運ばれて来た子細はたいてい呑み込めたが、采女に別れて自分ひとりがここへ送られて来てなんとなる。その時に自分が正気であったらば、こんなところへ連れて来られるのを無論に拒んだに相違ない。采女の亡骸をしっかりと抱えて、自分も生きながらに一つ穴へ葬られることを願ったに相違ない。采女と離れまいと思えばこそ、都を立ち退いて行くえも知れぬ旅をつづけているのであって、自分ひとりが何をめあてに、何を楽しみに、こうして生きているのであろう。それを考えると、小坂部は遠い此処までわざわざ自分を送って来た異国の男を却って怨めしいようにも思われて来た。