Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えせものがたり

似而非物語

山本 周五郎

Leggi 似而非物語 (えせものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.817 caratteri · 64 schermate

Aozora Bunko

「おめえらは好い人間だ」

と杢助は云った。

「おめえらにゃ縁もゆかりもねえ、そんな剣術つかいの先生にでも、ど偉え名人だって聞けば只で米味噌をはこぶだ、それこそ、十里二十里さきまで出作りをして、血と汗の固まりみてえな米味噌をよ、……やっぱりおら帰って来てよかっただ、此処はいい土地だし、おめえらはそんなに好い人間だでなあ」

「黒門へいけばもっと安楽だに、黒門へいけばよ」

「つまらねえ」

杢助は云った。

「黒門で喰べる米味噌はおめえらが作ったもんだ、黒門でおめえらからとりあげた物を、おらがまた貰って食うなんて芸のねえこった、おらじかにおめえらから貰って食うだよ、おめえらはずぬけた好い人間だし、おら面倒なこた嫌えだでよ」

「おうれまた」

弥市はふいに縁側から腰をあげた。

「またあの娘っ子どもがやって来ただ、五人もつるんでよ、五人も、なんちゅうこんだ」

石地蔵の脇からこっちへ来る五人の娘たちが見えた。十六くらいから二十歳くらいまでで、肥えたのも痩せたのもいた。縹緻もそれぞれ違うが、やまが育ちの健康な明るさと、若い血に満ちあふれたようすは共通していた。

「おめえらなにしに来るだ」