Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate

Aozora Bunko

熟兎に白子多きは誰も知る通りだが明の崇禎の初め始めて支那へ舶来、その後日本へも渡ったらしい(『本草啓蒙』四七)。黒兎は以前瑞としなかったが石勒の時始めて水徳の祥とした。プリニウスいわく越後兎冬白くなるは雪を食うからと信ぜらると。何ぼ何でも雪ばかりじゃあ命が続かぬが、劉向の『説苑』一に弦章斎景公に答えた辞中、尺蠖黄を食えばその身黄に蒼を食えばその身蒼しとあれば、動物の色の因をその食物に帰したのは東西一轍と見える。ただし只今いわゆる保護色も古く東西の識者に知れいたは、唐の段成式の『酉陽雑俎』に顛当蠅を捉えて巣に入りその蓋を閉じると蓋と地と一色で並に糸隙の尋ぬべきなしと自分の観察を筆し、またおよそ禽獣は必ず物影を蔵匿して物類に同じくす、これを以て蛇色は地を逐い茅兎(茅の中に住む兎)は必ず赤く鷹の色は樹に随うと概論したはなかなか傑い。明治二十七年予この文を見出し『ネーチュル』へ訳載し大いに東洋人のために気を吐いた。その時予は窮巷の馬小屋に住んでいたが確か河瀬真孝子が公使、内田康哉子が書記官でこれを聞いて同郷人中井芳楠氏を通じて公使館で馳走に招かれたのを他人の酒を飲むを好かぬとして断わったが、河瀬内田二子の士を愛せるには今も深く感佩し居る。