Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
大上段に大刀を振り上げて待ち構えている辻斬の前へ、ヨチヨチなにも知らないで歩いていく老いぼれ爺さんのような心持ちがした、今や関西の落語界全体というものが。
累卵の危うさ。
もはやお土蔵へは火が放いているのだ。
心からハラハラせずにはいられなかった。
ウカウカしているときじゃない。
自分一人のことなんか考えず、落語家全部が一致団結して蹶起するときだ。
そうしてこの紅梅派という獅子身中の毒虫へ宣戦布告をすべきときだ。
つくづくと、しみじみと、そう思った。
だのに――だのに、なんという迂闊さだろう。
のんきさだろう、自分たちの先輩どもは。
辻斬の危険。目睫に迫っている生命の危険。いや、生命と職業と全体全部の一大危険。少しもそれらを気がついていないばかりか、夜半の嵐を大きく胎んでいる我が世の春を大浮かれに彼らは浮かれていた。
ある者はノホホンで。
ある者はほろ酔いの鼻唄で。
またある者は好きな女の子と相乗り俥で。
彼らは今度の太夫元の見かけのいかめしいにもかかわらず、ヘイコラヘイコラ皆の御機嫌をうかがっては、いくらでも言う通りに大金を貸してくれるところから、まったく岡村を甘く見てしまっていた。