Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
「オ、オイ」
「マ、待って。も少し言わせて。ほんまや。ほんまに俺はもう下げられるだけ頭下げて月給のふた月や三月分前借りでもさせてもらわんことには」
ああ見そこなった、こいつばかりは。
やっぱり牛は牛、馬は馬、たいそういいところ見せてくれたが、大根はこいつも上方の落語家だったか。
今とうとうその地金が出て失せたか。
「勝手にしろ海老」
いきなり立ち上がって今松は、
「お前はお前、俺は俺だ。ソ、そんな情ねえ根性の奴たア。きょうから限り、俺、おつきあいは真っ平御免だ」
「マア、待って。待って今松」
急にシッカリ今松の手を握って、振り放そうとしてもまたギューッと握ってきて、
「わけがあるのやこれにはわけが。わけがのうでなんで俺が……かりにも上方の落語を亡ぼそうとかかってくさるあの岡村の親爺さんにお世辞……お世辞言うたりして。オイ、今松、今松いうたら」
急に涼しい眸からハラハラ涙が溢れ落ちてきた。
あとからあとから絶えず溢れた。
「聞いて――聞いてくれ」
もう声までオロオロ泣き出していて、
「じつは……じつはなあ……昨夜近江から電報が届いた。うちの親父……近江の八幡で」