Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

ていねいにお辞儀をした。

「こちらにあのお艶さんて人がいますでしょうか」

「ナ、なんですか」

目を盤台へ落したままで、ピリリと主の眉が動いた。

「いいえ、あのこちらのお艶さんにお目にかかりたくって伺ったもので」

「お艶さん」

やっぱり眉だけピリピリさせて、

「お間違いじゃござんせんかなにか。あッしアまだ独身なんですがねえ」

貝を剥く手を休めないで、面白くもなさそうに主が答えた。

「いいえ、その、あなたのお神さんじゃないんです」

顔を赤くして小助六は手を振った。

「じゃ誰なんだよ、お艶さんてのは」

尖がった声を張り上げてきた。

「いえ、あの、それが、その」

権幕にドギマギしてしまって、

「あの、つまり、こちらのお二階を拝借している女の人なんですが」

とたんにグイと剥身屋の主は顔を上げた、肩で笑った、ちゃんちゃらおかしいやと言わないばかりに。

「ナ、ナ、なんだってヤイ」

ギロッと大きな目玉を光らせて、

「ド、どこへ目つけているんだお前。よく大きな目を開けて見ろ、ヤイとんちき野郎」

ポーンと自棄に貝を剥く出刃庖丁を投り出し、クククと拳固で、鼻の頭をこすり上げると、

「俺ン家は平屋だい」