Classici giapponesi con furigana
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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
Leggi 圓太郎馬車 正岡容寄席小説集 (よせ) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 147.226 caratteri · 295 schermate
「いいんですか冷で。なんならちょいとお燗いたし……」
コップへお酒を注ぎながら訊ねる爺さんへ、
「いいんだよいいんだよ、冷のほうがずっと飲み心地がいいんだから」
ひったくるように奪い取って、ひと息に飲んだ。
「もう一杯」
またコップを突き出した。
やっと暮れつくした鈴本の高座へ上がってすぐ今松がお辞儀をしたとたん、ズラリと高座のすぐ下に陣取っている十二、三の子供たちが、
「ヤーこの小父さん、さっき、大道で一本五厘の焼鳥食べてたよ」
「ヘッおかしいな、五厘の焼鳥食べてやがった」
「ヤーイ焼鳥野郎ヤーイ」
口々に囃し立てた。ハッと今松困ってしまった。
「冗、冗談でしょ坊ちゃん」
よく今日は高座の一番前からばかりいろんな事件の起こる日だぞと思いながらワザとすまして、
「私じゃござんせんよ、そりゃ。ソ、そんな焼鳥を食べてたなんて、そりゃどこか他の小父さんですよ」
こう弁解したけれど、
「嘘だ、嘘だイ、嘘ばかり言ってら。なあ皆たしかにこの小父さんだったなあ」
「そうともよ。俺、この小父さんの色の黒い顔、前からチャーンと知ってんだもの。誰がなんてったって小父さんだイ」
「そうだそうだイ、この小父さんが、一本五厘の焼鳥なんだイ」