Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Leggi 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.298 caratteri · 100 schermate
八
これに懲りて、次の出漁から細川君は舟の中へお丸を持ち込むことにした。用便が済んでお丸を蒼海で洗うと、白い泡は紫色の光を放つシャボン玉が碧空に浮ぶように水上を流れて美しく賑やかである。
私はこの故智を知っているので、葵原夫人のために勝手用の新らしい亜鉛板製の洗い桶を求めさせて、舟中に用意したのだ。
八
「締めて! 締めて!」
船頭英太郎が、うしろから声援である。夫人の鈎に、大鯛が食いついたらしい。夫人の顔は、俄かに紅潮を呈して来た。道綸を持った指先が戦いている。水を瞶る眼が光る。固唾を呑む。四十尋の海底で、素晴らしい大物が鈎を銜えたまま、逸走の姿勢に移った動作が見えるようだ。夫人の全身は緊張の固りとなった。
引く、引く、怺えきれない強引だ。鯛は、懸命の狂躍らしい。夫人の手から、するすると綸は伸びて行く。
「その辺で、締めて!」
舟の者悉く夫人の傍へ集った。鯛釣は、はじめてでありながら、夫人は巧みに道綸を捌く。次第に鯛は水の上層へあがって来た。中錘が見えようとする迄手繰り上げた時、鯛は腹中にある気嚢の膨脹に泛されて、突然三、四間先の水上へぽっかりと紅い美しい姿を現した。