Classici giapponesi con furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Leggi 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.298 caratteri · 100 schermate
濃胆な味品。昔から鯛を海魚の王者と言ったが、透き通るような肉の鮮味は、これに敵う魚が他にあるであろうか。而も胆にして薄ならざるところ、食って味覚に残る何の滓韻もない。
三人は、飽食した。葵原は陶然としている。
葵原夫人の美貌は、端麗な容姿に調和してまことに上品である。そして、素敵に健康だ。籠球も、水泳も、庭球もやった学生時代、颯爽たるお嬢さんの、女離れした気性を喜んで葵原君が迎えた。嫁してからは、スキーも穿き、ゴルフもはじめた。殊に、葵原君とお揃いでこしらえた狩猟のレザーコートはよく似合うのである。
浅間山麓六里ヶ原から上越国境の山狩にも、銃を舁いで二人は歩き廻った。運動家であった葵原君と、蜜のように睦じい。
釣の趣味も、決して見遁しはしなかった。昨年の春、夫妻打ち連れて私の邸へ遊びに来た時に、夫人は私の娘から釣のことについていろいろ聞かされた。
「婦人でも、釣がやれますか?」
「やれますとも、婦人だって別段男と変ったところはありませんわ」
「私、やって見たいと思うわ」
「あなたも、運動家なんですもの――足に自信がおありでしょう。私、いくらでもお供してあげますわ」