Classici giapponesi con furigana
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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Leggi 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.298 caratteri · 100 schermate
村田氏は、僕の悲鳴などてんで問題にしないのだ。僕は、ある一軒の広い庭を覗いた。ところが、その庭一杯に鯨の肉、臓腑、骨などの細かく刻んだのを乾してある。それに天陽が当って腐って、陽炎が上って窒息しそうな異臭を放ったのだ。鮎川の町といえば海の清風そよそよと涼味たっぷりのところと想像して来たのだが――。
「鮎川の町民にとっては、この匂いは香水以上なんですよ」
「なるほど――鯨からとれる龍涎香は香水のもとだといいますからね」
それから、鮎川港に臨んだ極洋捕鯨会社の作業所へ案内してくれた。作業場へ小舟で近づくと、海の水は血色で真っ赤になっている。
作業場の桟橋に一頭の鯨が横づけになっている。作業場の浜窪主任が案内役に立って
「これは、今朝とった四頭のうちの一頭ですが、長さが四十七尺ある鰮鯨です」
と、説明する。なる程大きなものだ。桟橋を上って作業場の広い板の間へ行くと、これも五十尺に近い鰮鯨が、作業員が持っているなぎなたのような庖丁で、肉、骨、腸と解剖されている。まるで、山を切り崩しているような作業だ。
さらに奥の方へ進んで行くと、真っ黒い大きな貨車みたいなものが二つ並んでいる。