Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおいはらふじんのたいつり

垢石釣游記

佐藤 垢石

Leggi 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.298 caratteri · 100 schermate

Aozora Bunko

誰も文句をいうものもなければ、指図がましい口もきかない。鱸釣の船頭も極めて質朴でこちらから指図して釣場を選定する。釣方の如きは、却って客の方から教えてやるといった工合に、唯我独尊の境地に遊ぶ事が出来るという関係から、博士三十数年来一貫して利根川の鱸釣に終始して来た。

仕掛の製作も決して船頭の手を藉りないばかりでなく、日露戦争前までは血気に任せて自ら舟を漕ぎ、好きな釣場へ行って終夜、終日釣り暮らしたものである。利根の分流江戸川では鴻台から流山、利根運河、野田。利根本流では小見川、佐原、木下、取手、関宿、境、権現堂、栗橋、古河と足跡の到らぬところがない。

先生が釣道具に凝ると途方もない事を考え出し、傍の者を驚かす。先年、夜の鱸釣に金色の道具を使えば、魚の眼を惹きつけて釣果を充分にあげ得るだろうと思いついた。金の鈎は容易に出来るにしても、金のテグスを作るという訳には行かない。

そこで純金を薄く伸ばして、鈎素のテグス二、三尺の間に巻きつけ、幾度も試めして見たがどうもうまくゆかない。仕掛けて川へ投ずると巻いた金が剥げて流れてしまう。それでも決して諦めはしない。