Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
ねえのさ」
犬殺しどもは、何か不得要領なことをブツブツ言って立戻って来て、さきに卸して置いた籠を提げて、またムク犬の傍へ近寄り、
「どうだろう、まあ、この堅い棒を簓のようにしやがったぜ、恐ろしい歯の力だ、死物狂いとは言いながら、まだこんなに恐ろしい歯を持った畜生を見たことがねえ、なるほど、これじゃあ殿様がもてあまして、鎖で繋いでお置きなさるがものはあらあ。さあ、こん畜生、今度は棒じゃあねえぞ、御馳走をしてやるんだぞ、それ、これを食え」
籠の中から取り出したのは竹の皮包の握飯でありました。これはこの者どもの弁当ではなくて、犬を懐けるために、ワザワザ用意して持って来たものらしくあります。
「さあさあ、樫の棒なんぞをがりがりと噛んでいたって仕方がねえ、これを食って温和しくしろ、そのうちに痛くねえように皮を剥いてやるから。殿様に頼まれたんだから、おれたちも晴れの仕事なんだ、あんまり騒がねえように剥がしてくれろよ」
こう言って投げてやった握飯が、鼻の先まで転がって来たけれども、ムク犬はそれを一目見たきりで、口をつけようともしませんでした。
「おやおや、こん畜生、行儀がよくていやがらあ、こんなに痩せっこけて餓えているくせに」