Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
それから雑誌、食事、撞球やら、麻雀やら始まりました。撞球は学生時代から得意で、梅谷や金井と優劣なくやれますが、麻雀にはすっかり降参して了いました。これは近頃の流行で、橋の下の住人には先ず縁の無い遊戯だったのです。
此の屋敷の見当だけでも知って置こうと思ったので、そっと抜け出してバルコニーへ出ると、其処にはこれもあまり麻雀を好きでないと言う花枝が、籐椅子に深々と凭れて、初夏の夜の大空を匂わせて居ります。
「花枝さん、何を見て入らっしゃるんです」
「あら、御免下さい、私麻雀はあまり好きじゃありませんし、金井さんが執拗く仰しゃるから、そっと抜け出してしまったんです」
私は黙ってうなずいたまま、籐椅子を引き寄せて花枝の側へ、肘と肘が、触れそうに近々と掛けました。
「あの音は何んでしょう」
「電車じゃ御座いませんか」
「何処の」
「省線よ」
花枝の爽やかな声には、何んか腑に落ちない響きがあります。
「花枝さん、変な事を聞くようですが、どうぞ笑わずに答えて下さい」
私は思い定めて、この娘の口から、一切の秘密を引き出そうとしました。
「え、どうぞ――、だけど、私何んにも存じませんワ」