Classici giapponesi con furigana
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わらわのはんせいがい
妾の半生涯
福田 英子
Leggi 妾の半生涯 (わらわのはんせいがい) di 福田 英子 (ふくだひでこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 64.051 caratteri · 122 schermate
藤井は妾の何人なるかを問い究むる暇もなく、その人に牽れて来り見れば、何ぞ図らん従妹の妾なりけるに、更に思い寄らぬ体にて、何故の東上にや、両親には許可を得たりやなど、畳みかけて問い出でぬ。固より承諾を得たりとは、その場合われと心を欺ける答えなりしが、果ては質問の箭の堪えがたなく、最とど苦しき胸を押さえ額を擦りて、眩暈に托言せ、委しくはいずれ上陸のうえと、そのまま横になりて、翌朝九時漸う大阪に着けば、藤井の宅の妻子および番頭小僧らまで、主人の帰宅を歓び迎え、しかも妾の新来を訝しうも思えるなるべし。その夕妾は遂に藤井夫婦に打ち明けて東上の理由を語りぬ。妻は深く同情を寄せくれたり、藤井も共に尽力せんと誓いぬ。
その翌日直ちに土倉氏を銀水楼に訪れけるに、氏はいまだ出阪しおらざりき、妾の失望いかばかりぞや。されど別に詮様もなく、ひたすらその到着を待ちたりしに、葉石久米堆氏より招待状来り板垣伯に紹介せんとぞいうなる、いと嬉しくて、直ちにその寓所に訪れしに、葉石氏は妾が出阪の理由を知らず、婦女の身として一時の感情に一身を誤り給うなと、懇ろなる教訓を垂れ給いき。されど妾の一念翻すべくもあらずと見てか、強いても言わず、とかくは板垣伯に会い東上の趣意を陳べよとあるに、妾は諾いて遂に伯に謁し、東上の趣意さては将来の目的など申し