Classici giapponesi con furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate
と呼び歩きますので、惻隠の情を起こしましてね、私が事情をたずねましたところ……」
「およしよ」とお粂は止めてしまった。「相変わらず暢気な金ちゃんじゃアないか。お前さんそんなものにかかりあっていたのかい」
「ざっとそういった塩梅で。もしなんならもっと詳しいところを……」
「よしておくれよ、聞きゃアしないよ」
お粂はなんとなく不快そうであった。と、そういう不快そうなお粂の、浮かない気分が感ぜられたらしい、金兵衛もいくらかてれたように、しばらくの間無言でいたが、
「それはそうと姐ごどうしたんで、今夜ここへ来るようにと、私に伝言をなすったので、そこでやっては来たんですが、どういうご用がおありなさるので?」
「ああそう、そう、話してあげよう」
ようやく機嫌をなおしたらしい、お粂は気軽そうにこういったが、かたわらに立っていた長屋の土塀へ、ヒョイとばかりに指をさした。
「ね、ご覧よ、楽書きがあるから」
――で、金兵衛は土塀を見た。
「おッ、これは例の和歌だ」
「そうともそうとも例の和歌だよ」
「で誰が楽書きをしたんですい?」
「ついお前さんの鼻の先の人さ」
「あッ、それじゃお前さんだ」