Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

と、玄関の左の側に、裏庭へ通う小門があったが、そこから嘉門が顔をのぞかせた。

「おおこれは鈴江様で」

「お師匠様でござりますか。今日は稽古日でございますので、兄とともどもまいりました」

「稽古? ははあ、お狂言のな。……が、今日は駄目でござる。このように酔いしれておりますのでな。……ああそうそうちょうど幸い、お菊が泣いておりますので、あなた様の明るいご気象で、慰めてやってくださりませ。……さあさあこちらへおいでなされ。裏庭の片隅で泣いております。※(歌記号、1-3-28)柳の下のお稚子様は、朝日に向こうて、お色が黒い――おいでくだされ、おいでくだされ」

小門をあけて引き入れたので、鈴江は胆をつぶしながらも、裏庭へはいって行った時、兄の紋也が笑をふくみながら、往来から玄関へはいって来た。

「ご免くだされ、ご免くだされ」

声をかけたが返辞がない。ただし裏庭の方角から、酔っているらしい嘉門のうた声が、むしろ悲壮に聞こえて来た。「今日もお酒を召されたと見える」つぶやいて小門をくぐろうとした時に、またもや一人の侍が、往来から玄関へはいって来た。

「うむ、貴殿は山県氏か」