Classici giapponesi con furigana
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むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate
で、四辺は静かであった。戸外を人の通る足音がする。音締めの悪い三味線の音が、座敷のほうから聞こえても来た。
※(歌記号、1-3-28)葵は枯れても
ああ、ああ、
菊は栄える
唄って通る声がしたが、門口でフッと消えてしまった。と、一人の職人ふうの男が、暖簾を分けて顔を出したが、皮肉めいたことをいったかと思うと、顔を引っ込ませて行ってしまった。
土間を設けて卓袱台を置いて、裸蝋燭をあかりとして、陰惨とした暗い中で、酒を飲ませるというやり方は、水戸様石置き場の空屋敷の、私娼宿でやるやり方なのであった。ここだけで女を相手にして酒を飲むだけで帰って行く――といったような客もあれば、奥の座敷へ女と一緒に寝に行くというようなお客もあった。そうかと思うとよその女を、こっそりとここへ引っ張って来て、ここの私娼をまじえないで、媾曳をして帰るという、そういったような客もあった。紋也とお粂との関係などは、最後のものに当たるらしい。で、私娼もやって来なければ、他の客も避けて行くのであった。――と、咽び泣く声がした。お粂が突っ伏して泣き出したのである。
不安の一時
鬱金色の縮緬の襷をかけて、派手やかな模様の振り袖を着て、深紅の手甲と脚絆とをつけた、妖艶な女の煙術師姿の、若いお粂が台へ突っ伏して、髪の簪の銀のビラビラを、後れ毛と一緒に