Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Leggi 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 267.766 caratteri · 530 schermate

Aozora Bunko

「そち、この俺を怨んではいまいな?」

「なかなかもちましてそのような事、もったい至極もござりませぬ」

「久馬は怨んでいたであろうか?」

「いえいえ反対にござります。遠島まぎわに父の口より承わりましてござります。北条の殿様があったればこそ、死罪にも行なわれず軽い遠島と! ご恩のほどを忘れるなよと……」

「怨まれれば怨まれる節もあるが、怨んでいないと耳にすれば、やはり俺には有難い」

「なんのお怨みなどいたしましょう。怨みは他の人にござります」

「他の人?」と美作は首を伸ばしたが、「さあ何者であろうやら?」

「山県大弐にござります。藤井右門にござります」

「が、彼は殺されたはずだ。死罪獄門になったはずだ。で、この世にはいない者どもだ」

「しかし後胤や一味の者が、残っているはずにござります」

「なるほど」という北条美作は、兵馬へ身近く進んだが、「そち、消息を知っていると見える?」

「さぐり知りましてござります。よりより彼らの後胤や一味が、京都から江戸をさしまして、いろいろのものに姿をやつして、入り込みました由にござります」

「しかもな」という北条美作は、前こごみに体をこごませたが、「恐ろしい大物も入り込んだらしい」