Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

今ここで俺が田舎へでも帰って御覧……」

「面白いじゃ有りませんか」

「馬鹿言え。そんなことを俺が為ようものなら、今日まで俺の力に成ってくれた人は、必と驚いて死んで了う……」

その時、三吉は久し振だから鰻飯を奢ると言出して、それを女中に命ずるようにと、兄に頼んだ。

「稀にはこういう話もしないと不可」と三吉が尻を落付けた。「飯でも食って、それから復た話そうじゃ有りませんか」

森彦は手を鳴らした。

夕飯の後、三吉は兄が一生に遡って、今日に到るまでのことを委しく聞こうとした。森彦が事業の主なものと言えば、八年の歳月を故郷の山林の為に費したことで有った。話がその事に成ると、森彦は感極まるという風で、日頃話好な人が好く語れない位であった。巣山、明山の差別、無智な人民の盗伐などは、三吉も聞知っていることであるが、猶森彦は地方を代表して上京したそもそもから、終には一文の手宛をも受けず、すべて自弁でこの長い困難な交渉に当ったこと、その尽力の結果として、毎年一万円ずつの官金が故郷の町村へ配布されていること、多くの山林には五木が植付けられつつあることなぞを、弟に語り聞かせた。