Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
「あの時」と森彦は火鉢の上で両手を揉んで、「Mさんが郷里の総代で俺の許へ来て、小泉、貴様はこの事件の為に何程費った、それを書いて出せ、と言うから、俺は総計で三万三千円に成ると書付を出した。その話は今だにそのままで、先方で出すとも言わなければ、俺も出せとも言わない……で、知事が気の毒に思って、政府の方から俺の為に金を下げるように、尽力してくれた。その高が六千円サ。ところがその金が郷里の銀行宛で来たというものだ。ホラお前も知ってる通り、正太の父親さんがああいう訳で、あの銀行に証文が入ってる、それに俺が判を捺いてる。そこで銀行の連中がこういう時だと思って、その六千円を差押えて了った……到頭俺は橋本の家の為に千五百円ばかり取られた――苛酷いことをする……何の為にその金が下ったと思うんだ。一体誰の為に俺が精力を注いだと思うんだ……」
「何故、森彦さん、その時自分を投出して了わなかったものですか。とにかくこれだけの仕事をした、後は宜しく頼む、と言ってサッサと旅舎を引揚げたら、郷里の方でも黙っては置かれますまい。その後仕末をする為に、今度は困って来た……何か儲仕事をしなけりゃ成らんと成って来た……」