Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate

Aozora Bunko

煙草も、このたった一本きりで、これから何年もの間モウのめないのだ!

晴れ上がった良い天気だった。

トロッコのレールが縦横に敷かさっている薄暗い一見地下室らしく見えるところを通って、階段を上ると、広い事務所に出た。そこで私の両側についてきた特高が引き継ぎをやった。

「君は秋田の生れだと云ったな。僕もそうだよ。これも何んかのめぐり合せだろう。僕から云うのも変だが、何よりまア身体を丈夫にしてい給え。」

ずんぐりした方が一寸テレて、帽子の縁に手をやった。

ごじゃ/\と書類の積まさった沢山の机を越して、窓際近くで、顎のしゃくれた眼のひッこんだ美しい女の事務員が、タイプライターを打ちながら、時々こっちを見ていた。こういう所にそんな女を見るのが、俺には何んだか不思議な気がした。

持ちものをすッかり調らべられてから、係が厚い帳面を持ってきて、刑務所で預かる所持金の受取りをさせられた。捕かまる時、オレは交通費として現金を十円ほど持っていた。俺たちのように運動をしているものは、命と同じように「交通費」を大切にしている。――印を押そうと思って、広げられた帳面を見ると、俺の名から二つ三つ前に、知っている名前のあるのに目がとまった。