Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate

Aozora Bunko

十

――相手? お金商売だもの一日変りだろうよ。誰だっていゝでしょうさ。

何時でも寒そうな唇の色をしている芳ちゃんは、そう云えば四人の一家を一人で支えていた。お君はそのことを思い出した。――それをこんな調子でものを云う女に、お君はもち前の向かッ腹を立てゝしまった。

――でも、妾たちの日給いくらだと思っているの。五十銭から七八十銭。月いくらになるか直してごらんよ。――淫乱なら無償でやらせらアねえ!

お君は飯が終って立ちかけながら、上から浴びせかけた。そして先きに食堂を出てしまった。

――馬鹿にしてる!

十

午後から女学生の「工場参観」があると云うので、男工たちは燥ゃいでいた。

――ヘンだ。ナッパ服と女学生様か! よくお似合いますこと!

女工たちは露骨な反感を見せた。

――口惜しいだろう! ――女学生が入ってくると、工場のお嬢さん方の眼付が変るから。凄いて!

――眼付きなら、どっちがね!

――オイ、あまりいじめるなよ。たまには大学生様だって参観に来るんだからな。

何時でもズケ/\と皮肉なことを云う職工だった。

――と、どうなるんだ。大学生様と女工さんか。