Classici giapponesi con furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate
四
とか「現場制度」とか、色々な小分立や封建的な苛酷な搾取をうけ、頭をはねられ、追いつめられた生活をしているので、何かのキッカケでよくストライキを起した。Y市の「合同労働組合」はこれ等の労働者をその主体にしていた。しかし「H・S工場」の職工は一人も入っていないと云ってよかった。
森本はその浜の労働者のうちに知った顔を幾つか見付けた。組合で顔を合せたことのある人達だった。然し彼は今、この職工たちの中にいては、その人達に言葉をかける「図々しさ」を失っていた。
四
父は帰っていなかった。――六十を越している父は、彼より朝一時間早く出て行って、二時間遅く帰ってくる。陸仲仕の「山三現場」に出ていた。耳が遠くなり、もう眼に「ガス」がかゝっていた。電話の用もきかず、きまった仕事の半分も出来ないので、親方から毎日露骨にイヤな顔をされていた。然し二十年以上も勤務している手前、親方も一寸どう手をつけていゝか困りきっているらしかった。
――つらいなア……!
フッとそれが出る。朝やっぱり出渋るのだ。
――仕事より親方の顔ば見てれば、とッても……なア!
まだ暗い出掛けに上り端で、仕事着の父親がゴリ/\ッと音をさして腰をのばす。