Classici giapponesi con furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate
森本は驚いて女を見た。正しいことを、しかもこのような鋭さで云う女! それが女工である!
――女工なんて惨めなものよ。だから、可哀相に、話していることってば、月何千円入る映画女優のこととか、女給や芸者さんのことばかり。
――そうかな。
――それから一銭二銭の日給の愚痴。「工場委員会」なんて何んの役にも立ったためしもないけれども、それにさえ女工を無視してるでしょう。
――二人か出てるさ。
――あれ傍聴よ。それも、デクの棒みたいに立ってる発言権なしのね。
――ふウん。
――氷水お代り貰わない?
――ん。
――あんた仕上場で、私たちの倍以上も貰ってるんだから、おごるんでしょう。
お君は明るく笑った。並びのいゝ白い歯がハッキリ見えた。森本はお君の屈託のない自由さから、だんだん肩のコリがとれてくるのを覚えた。お君はよく「――だけのこと」「――という口吻。」それだけで切ってしまったり、受け答いに「そ」「うん」そんな云い方をした。それだけでも、森本が今迄女というものについて考えていたことゝ凡そちがっていた。――こういうところが、皆今迄の日本の女たちが考えもしなかった工場の中の生活から来ているのではないか、と思った。