Classici giapponesi con furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate
オヤッと思うと、それが河田だった。
――一寸これからT町へ用事があるんだ。
森本はその時フト変な予感を持った。――河田はお君のところへ行くのではないか。
河田は一緒に歩きながら、自分たちの運動のことを熱心な調子で話し出した。河田のその熱心な調子は何時でもそうだが、独断的なガムシャラなところを持っていた。それは初めての人に、無意識な反感さえ持たせた。然し森本はその調子を河田から聞いているときは、何時でも自分のしていることに、不思議な「安心」を覚えた。彼は力と云っていゝものさえ、そこから感じることが出来た。
――君はこの仕事に献身的になれるかい。
ときいた。森本は、なれるさ、と答えた。
――献身的の意味だが……。
河田はそう云って、一寸考えこんで間をおいた。――人通りはまだあった。自動車のヘッドライトが時々河田の顔を半分だけ切って――カーヴを曲がって行った。
――献身的と云っても、一生を捧げると云う位の気だな。
と云った。
足元で春に近いザラメのような雪がサラッ、サラッとなった。
――勿論俺だちの仕事は遊び半分には出来ることでもないし、それに俺だちのようなものが、後から後からと何度も出て来て、折り重なって、ようやくものになるというようなものだから、分りきった事だが……。