Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Leggi 工場細胞 (こうじょうさいぼう) di 小林 多喜二 (こばやしたきじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 91.234 caratteri · 184 schermate
こういう運動をやるようになった動機とか、スパイ三人を向うにまわして、鉛のパイプを持って大乱闘をやったことがある話とか、どん底の生活をしている可哀相な女が時々金を自分に送ってきてくれる。それが自分のたった一人の女だとか、自家では然し母が彼のことを心に病んで、身体を悪くしているとか、そんなことを話した。彼は「お前にだけ親があると云うのか。」という詩を読んできかせた。それは聞いていると、胸をしめつけた。――何時でも冷やかに動いたことのない彼の瞳が、その詩を云い終ると潤んでいた。森本はこういう河田を初めてみたと思った。仕事をしている河田は一分もそういう彼を誰にも見せたことがなかったのだ。
――工場はまだ大丈夫かい。
と河田がきいた。彼は何時でも森本の「顔」のことを心配していた。
――少ォしは。長い間だから。
――ん、少ォしでも悪いな。
――会社の笠原さんの話だと、最近バカに工場長のところへ警察の高等係がきて、何か話してるそうだ。
鍋焼の熱いテンプラを舌の上で、あちこちやっていた河田が、眉毛を急にピクッと動かした。
――工場長が時々顔の知らない人をつれて、工場のなかを案内して歩くけれども、ひょっとすると、それが高等係かも知れない。