Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.981 caratteri · 295 schermate

Aozora Bunko

叔父はことに大きなとんきょな声で高々と笑った。先刻から黙ったままでうつむいてさびしくすわっていた愛子は、沈んだ恨めしそうな目でじっと叔父をにらめたと思うと、たちまちわくように涙をほろほろと流して、それを両袖でぬぐいもやらず立ち上がってその部屋をかけ出した。階子段の所でちょうど下から上がって来た叔母と行きあったけはいがして、二人が何かいい争うらしい声が聞こえて来た。

一座はまた白け渡った。

「叔父さんにも申し上げておきます」

と沈黙を破った葉子の声が妙に殺気を帯びて響いた。

「これまで何かとお世話様になってありがとうこざいましたけれども、この家もたたんでしまう事になれば、妹たちも今申したとおり塾に入れてしまいますし、この後はこれといって大して御厄介はかけないつもりでございます。赤の他人の古藤さんにこんな事を願ってはほんとうにすみませんけれども、木村の親友でいらっしゃるのですから、近い他人ですわね。古藤さん、あなた貧乏籤を背負い込んだと思し召して、どうか二人を見てやってくださいましな。いいでしょう。こう親類の前ではっきり申しておきますから、ちっとも御遠慮なさらずに、いいとお思いになったようになさってくださいまし。