Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
『かれや、武者所の所司』
『なかんずく、この春、諸国の牧の馬献上に際し、院の御けしきに、へつろうて、不吉なる四白の凶馬を入れ、袈裟の良人源ノ渡へ飼わせたるこそ、忠盛が科というも、はばからぬ』
『それよ、かりそめにも、禁忌を冒すまじきは、法令にまさる、堂上の大則でもあるに』
ついに衆判にかけて、議は、上皇のまえにまで、もち出された。
上皇は、お困りのようであった。ややもすると、眼のかたきに、すぐ忠盛を衆判にかけるような堂上たちの執こい反目は、遠い、昇殿問題に起因している。名誉に似た禍を、求めもせぬ忠盛に担わせたのは、余人でもない、御自分である。
けれど、誠実な人間へ、愛と信頼を感じてゆくのは、どうしても、しかたがない。君主の道でもある。上皇は、そう信じておられる。
ことには、近ごろのように、どことなく、世上の安からぬとき、忠盛を恃みに思し召しておられたにはちがいない。忠盛が院庭に見えぬ日は心さびしいと、仰っしゃったことすらある。
『そうそう。仁和寺へゆく日は、もう幾日もないのであろな……』上皇は、ふと、公卿たちのいかめしげな物議を、あらぬ方へ、交わされて――