Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
――母のことばの裏が、その間に、解けた気がしていた。――母は、別れた良人の忠盛を、もっと、不幸にしたがっているのだ。自分を、男親のそばから奪って、見返してやろうとしているのではあるまいか。そうだ。瑠璃子を、おとりにして。
清盛は、手の菊を、いつのまにか、ちりぢりに、もみむしって、棒だけにしていた。――それを、ムチのごとく持って、もとの大峰の辻の屯へ返って来た。
二頭の駒と、人影が一つ、たそがれのつじに、立ち残っていた。清盛は、元気がない。その人を、案じ顔に待っていた木工助家貞も、元気がない。
『みなは、どうした。はや、引き揚げたか』
『院宣を奉じて、ひとまず、つじつじみな、この夕べ、ひき払うてござりました。……して、上西門院のお探りは』
『ムダだった。よせばよかったよ。……じじ、父上は』
『みちみち、お物語りいたしましょうず。まず、お馬に召されて』
清盛を、鞍へ、うながし、つづいて、かれも馬上となった。
『院へ、もどるのか』
『いえ、今出川のおやしきへ』
清盛は、はて? と思った。当然、こよいは集合して、ひとまず、忠盛から、武者所一同へ、何かの辞をなすべきである。