Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
ささいな賭け物では、鶏を傷つけるだけでも、わりにあわねえ。銭なら、闘ってやるぜ。小冠者、銭をもってきたか』
と、鶏師はいう。
『あい。銭でもいいよ』
小冠者は、十四、五歳でもあろうか。とはいえ、小がらに似げないふてぶてしさを、抱えている一羽の軍鶏の眼ざしとともに示して、すでに、あいての大人を、なめてかかっている笑靨である。
『いくら。……いくら賭ける? おじさん』
『よし。これだけこい』
鶏師は、小笊の中の銭を、何枚もかぞえた。小冠者も出して、一しょにおいた。
闘鶏は、堂上たちの間にもはやっている。陛下もまま御覧になり、院の庭でも、行われる。――が、これは血ぐさい遊戯なので、禁裏の催しには、春ならば、藤花をかざり、牡丹の台をつくったりなどして、陪観の公卿朝臣も、みな衣冠をただして、中門廊のうちにいならぶのである。参入に、儀式があり、笙、ひちりき、和琴の奏楽などのうちに、さて、いよいよ、鶏と鶏との、飛毛絶叫のたたかいが演じられるや、念人、判者などがあって、余りには、殺気のすさまじくならないうちに、羯鼓を打ちならして、引きわける。――こうして、何番勝負かののち、酒餐をたまい、伎女楽人の舞があって、一せいに、唱歌しおうて、秋ならば、菊、桔梗などの一枝一枝を家土産に、終日の歓をつくして終わるのであった。