Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
女身至上の尊貴、国母の称と、窈窕の美とを、女の生命に、あわせうけたかの女は、まさに、地上の栄花を、身ひとつにあつめた星の君とも見えもしたろう。
人ごころの、自然な考え方は、かの女が、鳥羽のみこころを唆かし奉ったもの――と、当然のように、思いたがった。
鳥羽御自身も、そのへんの機微には、鋭敏になっていらっしゃるに違いない。
知る者は知る、上皇のお胸たるや、明らかである。語をかりて、御胸中のものをいえば、こうもあろうか。
(かつて、わが若年のとき、白河法皇が、われに試み給えるところを、われもまた、今日、崇徳に施したまでのことである)――と。
改元、また改元となって、康治元年。――その正月も、なかばを過ぎたころの、ある夕べ。
夕明りの映す、東山の枯れ木林の中を、かさこそと、ひとりの若い僧が、雪おれ枝を、拾って歩いていた。
さきの右衛門尉佐藤義清。――今は、法衣一つの、西行であった。
いわゆる“祇園精舎の鐘の声”とは、この辺の峰、山ふところなどの、朱門楼閣や堂塔の繁昌を思わせるものだが、若いこの一僧の姿には、みじんの装飾もない、仏臭さもない。
沙羅双樹の花ならぬ、枯れ木を拾っては、手に抱えた。