Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate

Aozora Bunko

『ちょっと、来てください。……兄者人のことで、また、父上と母上が』

『なに。おれのことで、どうしたって』

『けさほどから、いさかいが始まって、午のお食事もそっちのけです。いつ果てるとも見えません』

『また、おふたりの夫婦喧嘩か。……なアんだ、めずらしくもない』

清盛は、わざと、不逞な大あくびを見せながら、両手を、伸びるだけ突っ張って、いった。

『ほッとけやい。めずらしくもない。おれは知らん』

『いけない、いけません、兄者人。あなたのことが因ですもの。下の小さい弟たちも、さっきから、腹が減った減ったと、あのように、泣いてばかりいるし』

『木工助は』

『じじも、さきほど、呼びつけられ、なんだか、母上に、ぎゅうぎゅう、取っちめられている容子ですよ』

『よしッ……。行ってやる』

いきなり、はね起きて、気の小さい弟の眼を嘲りながら、清盛は、顎のさきで。

『おれの、直垂をよこせ、直垂を』

『着ていらっしゃいますよ。御ふだん着は』

『あ。着たままで、寝ていたのか』

かれは腹帯から、ゆうべの遣い残りを取り出して、弟の顔のさきへ、つきつけた。

『この銭で、小さい弟たちへ、何か買って食わせてやれ。