Classici giapponesi con furigana
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しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
『なんですッ、母にむかって』
『母ゆえに、平太は無性に、あなたが癪にさわる。あなたが、穢らわしいんだ、いまいましくて』
『あれッ――わたしを、そなたは、どうする気です』
『撲らしてください。父上には、撲れないんだ。二十年もの間、撲れずにいたんだ』
『平太、ばちがあたりますぞ』
『なんの、ばちが』
『今は昔でこそあれ、この泰子は、かりそめにも、白河の君の御愛情に秘めいつくしまれた体ですよ。もし宮中にあれば、后、更衣とも、あがめられたかも知れないのです。それをこんな、あられもない町屋敷へ、妻にと、下賜されて来たことを考えてみたがよい。そのわたくしに、手をあげたり、辱ずかしめたりすることは、取りも直さず、上皇さまへの叛逆です。無礼です。わが子とて、ゆるしは措きませんぞ』
『ば、ばかなッ。上皇が、何だッ』
不意に、体じゅうから出たかれの声が、人びとの耳をしびれるほど打った。いや、そればかりでなく、清盛の手のひらは、ぴしゃッと、母なるかの女のほっぺたを、力まかせに、はたきたおしていた。
『平太様が、気が狂うた』
『物に憑かれたか、和子様が、暴れ出して。――あれ、あの通りじゃ。