Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しん・へいけものがたり
新・平家物語
吉川 英治
Leggi 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 123.012 caratteri · 245 schermate
上皇の御きげんもよかったにちがいないが、父の面も、さわやかに見えた。清盛は、馬の口輪をつかんで歩きながら、星空の中の父を仰いで、なんとなく、胸が安らいだ。
いい出そうか、いうまいか。
清盛は、みちみち、迷った。――告げることは告げて、父の不快をぬぐおうと、わざと迎えの郎党を帰し、こうして、父とふたりだけの帰路を待っていたのではあるが――。
(もしか、昼のことを、父が、気づいていないなら、なまじ、お聞かせしない方がよくないか)
そうも、思うし、
(いや、父はたしかに、遠くから見ていたふうだ。何も、いわないのは、父の性格だから、内心の寂寥と不快さは、人一倍なものがあろう。この父を、ふたたび暗い人にさせてはすまぬ)
こうも、考え、とつこうつ、駒をひくよりは、ひかれて歩くかれであったが、やがて、今出川の家も近づいてから、思いきって、馬上を仰いだ。
『父上。――父上は、知っていましたか。きょう、加茂の競馬へ、もとの母も、来ていたのを』
『うム。そうらしいな』
『会いたくもなく思いましたが、実は、余り招くので、ちょっと、母の席へ行きましたよ』
『そうか……』と、忠盛は、スガ目を細めて、清盛を見おろした。