Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate
――信長公もまた、うまいことを仰っしゃる大将ではある――と感心しながらも、欣しくて堪らなかった。
いわゆる、おめでたい男に、傍眼からは、見えもしよう。
独りで、にやにやと、時々、笑くぼを泛べながら、彼は午からお城を出て、清洲の町をぶらついていた。
町を歩くにも、得意であった。
ここ五日は、転役を機会に、彼の体には、休日を与えられていた。――その間に、拝領した屋敷に――どうせ侍小路のうちでも最も小さい、門と垣と五間ぐらいな小屋敷だろうが――それにしても家財を備えつけ、婆やと中間の一人ぐらいは、召し使わなければならない。
「生れて初めて、一戸の主人となるのだ。その家を見ておこうか」
こう考えて、道を変えた。
附近は、お厩者ばかり住んでいる。組頭の家をのぞいて、ちょっと、挨拶をしておく。組頭はいなかったが、妻女が出て来て、
「まだ、お独りでいらっしゃいますか」
と、訊くので、
「独り者でござる」
ありのままに答えると、
「では、何かと、御不便でございましょう。宅には、召使もおり、家具の余分なものもありますから、何なと、お入り用なものはお持ち下さいませ」
親切な奥方であった。