Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 180.256 caratteri · 361 schermate

Aozora Bunko

「野武士がやって参りましたよ――多勢して」

日吉は、告げた。

主人夫婦は、ごくりと唾をのんだだけで、何もいわない。――いや云い得ないほど白々と歯の根を噛んだ顔しているのである。

「――踏みこまれたら、それこそ大変です。旦那さまも、御寮人さまも、縛り上げられてしまいましょう。五人や六人の人死や怪我人は、きっとできるにきまっています。……ですから、私が計りごとを考え、野武士の頭を、外に待たせておきました」

賊の渡辺天蔵にいった通りのことを、日吉は、主人夫婦へそのまま告げて、

「――ですから、旦那さま、野武士の頭が、欲しいっていう物を、出して遣ってしまうとようございますよ。私が持って行って、渡してやれば、それで帰ってしまいますから」

と、いった。

――ややあって。

「日吉。いったい、野武士の頭は、何をよこせというのだね」

捨次郎が口をひらいた。

日吉は答えて、

「はい。賊の渡辺天蔵が目をつけて来たのは、御当家で御秘蔵の――赤絵の水挿だといっていました」

「えっ。赤絵の水挿を」

「それを渡せば、帰ってやるといっています。こんな安いことはございませんから、渡してやろうじゃございませんか。