Classici giapponesi con furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate
見ると、舞台の正面のひさしのすぐ下に、大きな、あか土色の蛾がぴったりはりついていました。
山車の鼻先のせまいところで、人形の三番叟が踊りはじめる頃は、すこし、お宮の境内の人も少くなったようでした。花火や、ゴム風船の音もへったようでした。
子供たちは山車の鼻の下にならんで、仰向いて、人形の顔を見ていました。
人形は大人とも子供ともつかぬ顔をしています。その黒い眼は生きているとしか思えません。ときどき、またたきするのは、人形を踊らす人がうしろで糸をひくのです。子供たちはそんなことはよく知っています。しかし、人形がまたたきすると、子供たちは、何だか、ものがなしいような、ぶきみなような気がします。
するととつぜん、パクッと人形が口をあきペロッと舌を出し、あっというまに、もとのように口をとじてしまいました。まっかな口の中でした。
これも、うしろで糸をひく人がやったことです。子供たちはよく知っているのです。ひるまなら、子供たちは面白がって、ゲラゲラ笑うのです。
けれど子供たちは、いまは笑いませんでした。提灯の光の中で、――影の多い光の中で、まるで生きている人間のように、まばたきしたり、ペロッと舌を出したりする人形……何というぶきみなものでしょう。