Classici giapponesi con furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate
末っ子の由太のためにたのまれた王様クレヨンを買った。小僧がそれを包み紙で包むのを待っている間に、木之助の心は後悔の念に噛まれはじめた。胡弓を手ばなした瞬間、心の一隅に「しまった」という声が起った。それが、今は段々大きくなって来た。
クレヨンの包みを受けとると木之助は慌てて、ゴムの長靴を鳴らしながら、さっきの古物屋の方へひっかえしていった。あいつを手離してなるものか、あいつは三十年の間私につれそうて来た!
もう胡弓が古帽子や煙草入れなどと一緒に、道からよく見えるところに吊してあるのが、木之助の眼に入った。まだあってよかったと思った。長い間逢わなかった親しい者にひょいと出逢ったように懐しい感じがした。
木之助は店にはいって行って、ちょっと躊躇いながら、いった。
「ちょっと、すまないが、さっきの胡弓は返してくれんかな。ちょっと、そのう、都合の悪いことが出来たもんで」
青くむくんだ女主人は、きつい眼をして木之助の顔を穴のあくほど見た。そこで木之助は財布から三十銭を出して火鉢の横にならべた。
「まことに勝手なこといってすまんが、あの胡弓は三十年も使って来たもんで、俺のかかあより古くから俺につれそっているんで」