Classici giapponesi con furigana
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あかいろうそく
新美南吉童話集
Leggi 新美南吉童話集 (あかいろうそく) di Niimi Nankichi (新美 南吉) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.131 caratteri · 96 schermate
女主人の心を和げようと思って木之助はそんなことをいった。すると女主人は、
「あんたのかかあがどうしただか、そんなこたあ知らんが、家あ商売してるだね。遊んでいるじゃねえよ」といって、帳面や算盤の乗っている机に頤杖をついた。そしてまたいった。「買いとったものを、おいそれと返すわけにゃいかんよ」
これはえらい女だなと木之助は思いながら「それじゃ、売ってくれや、いくらでも出すに」といった。
女主人はまたしばらく木之助の顔を見ていたが、
「売ってくれというなら売らんことはないよ、こっちは買って売るのが商売だあね」とちょっとおとなしく言った。
「ああ、そいじゃ、そうしてくれ。いやどうも俺の方が悪かった。それじゃもういくら上げたらいいかな」と木之助はまた財布を出して、半ば開いた。
「そうさな、他の客なら八十銭に売るところだが、お前さんはもとを知っとるから、六十銭にしとこう」
木之助の財布を持っている手が怒りのために震えた。
「そ、そげな、馬鹿なことが。あんまり人の足元を見やがるな。三十銭で取っといて、三十分とたたねえうちに倍の値で――」
「やだきゃ、やめとけよ」と女主人は遮って素気なくいった。