Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
「よう。日本一のお殿様! 向う傷のお殿様! あッしだ。あッしだ。たまらねえお土産をお持ちだね。お約束だ、お手伝い致しますぜ」
「生きておったか。幸いじゃ。早う舟を用意せい」
「合点だッ。富士川を下るんですかい」
「身共ではない。ここに抱き合うておいでの花聟僧に花嫁僧お二人じゃ。しっぽり語り合うているまに、舟めが岩淵まで連れてくれようぞ。――両人、来世も極楽じゃがこの世もずんとまた極楽じゃ。そのような恋の花が咲いておるのに、つむりを丸めて味気のう暮らすまでがものはない。遠慮のう髪を伸ばして楽しめ。楽しめ。わははは、身共はひとりで退屈致そうからな」
あい、とばかりに泣き濡れて、いと珍しい僧形の花嫁花聟が、恥じらわしげに寄り添いながら、横取りの三公の手引で渡し場目がけつつ闇の道をおりようとしたとき。
「ここにうせたかッ。帰してなるものかッ。いいや、女を渡してなるものかッ。出合えッ、立ち合えッ」
叫びざま追いかけて来て、荊玉造りの鉄杖ふりあげながら、笑止にも挑みかかったのは玄長法師です。
「まだ迷いの夢がさめぬかッ。早乙女主水之介、恐れながら祖師日蓮に成り代り奉って、妄執晴らしてくれようぞ」