Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
こっちは只の素人、向うはともかくも二本差が六匹、無手の素町人が六人の侍を対手にして斬り殺されたと世間に知れたら、下総十五郎褒め者になっても死に恥じは掻くめえと、いのちを棄てる覚悟でござんしたが、斬られているうちに、ふいッと妹たちふたりのことを思い出したんでござんす。喧嘩のもとというのは妹のあの小芳、死ぬあっしゃいいが、あとで黒鍬組の奴等がきっと何かあのふたりにあくどい真似をするだろうと思いつきましたんで、こいつうっかり死なれねえ、死ぬにゃどなたかに妹たちふたりの身の上を頼んでからと、御迷惑なことですが、ふと気のついたのはお殿様のことでござんした。男が気ッ腑を張ってお頼み申したら、お眉間傷にかけても御いやとはおっしゃるまいと、地獄の一丁目から急に逃げ出して、楽屋の中へ駈け込んだんでござんす。ところが、お殿様たちはこっちへもうひと足違い――成田屋さんのお弟子さんでござんしょう、大層もなく御親切なお方がひとりおいでなすってな、行った先は深川の谷の家だ、気付けをあげます、駕籠も雇うてあげます、すぐにおいでなさいましと、いろいろ涙のこぼれるような御介抱をして下さいましたんで、こんな血まみれの姿のまますぐ、おあとをお慕い申して来たんでござんす」