Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
どうじゃな。米なぞも少しはとれるかな」
「はっ。いえ、なんともはや、只々汗顔の至りでござりまする。――これよ! これ! な、何をうろたえおるかッ。早う、あれを、御音物を、用意せぬかッ」
「いや、なになに、そのような心配なぞ御無用じゃ。御勝手元が苦しゅうなければ三万両が程も拝借致そうと思うておったが、飢饉ならばそれも気の毒じゃでな。お茶なぞ飲んで参らぬかな」
「いえ、はっ、恐れ入りましてござります。これよ! これッ、な、なぜ早う用意せぬかッ。御前が三万両との有難い仰せじゃ。とく献上せい!」
右に左にまごまごと陪臣共が飛び走って、七十三万石の御太守も街道の真ん中に冷や汁流しながら、只もううろうろとすっかりひねられた形でした。やがてのことに整えられたのはその三万金です。うず高く積みあげて引き退ろうとしたのを、
「まだ忘れ物がある」
呼び止めたのは退屈男でした。
「先刻供侍が馬を斬った筈じゃ。三河の馬はちと高うござる。五百両が程も馬代、支払わっしゃい」
まことにどうも仕方がない。三宝に打ちのせて整えたのを小気味よげに見眺めながら、退屈男がいとも朗らかに言いました。