Classici giapponesi con furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Leggi 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 240.656 caratteri · 478 schermate
そなたは行末ふとしたことから、身分の高いお方のお情をうけるやも知れぬが、その節は必ずこの事守らねばならぬ。俗人のままの姿でお情うけたならば、その場で悲しい禍いに会わねばならぬゆえ、ぜひにもお頭を丸め、御法体になって頂いてからお情うけいと、このように申されましたゆえ、それが気になるのでござります」
「馬鹿な! 修験者風情の申すことが何の当になるものぞ。くだらぬことじゃ。そのようなことは気にかけるが程のものもないわい」
「いいえ、でも、三年の間に三人の違った修験者に観て頂きましたら、三人共みな同じことを申しましたのでござります。それゆえ、ふとしたことからお情頂戴致すようなことになるとか申したその身分の高いお方というは、もしやあの、お殿様ではないかと思うて、気になるのでござります」
「では、このわしに頭を丸めいと言うのか」
「あい。末々までもと申すのではござりませぬ。御出家姿となって最初の夜のお情をうけたら、邪気が払われて必ずともに倖が参るとこのように修験者共が申しましたゆえ、本当にもし――」
「本当にもし、どうしたと言うのじゃ」
「わたくしのような不束者を本当にもしお目かけ下さるならば、愛のしるしに、いえ、あの誓いの御しるしに、わたくしのわがままおきき届け願いとうござります。