Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Leggi 日記 (にっき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.462 caratteri · 72 schermate

Aozora Bunko

四月一日

四月二日

その雨の音に、やねにふる雨、木に降る雨、その木の中でも楓にふる雨、八つ手にふる雨の音が混り合いとけ込んで居ることをききわけようとしない。その懈怠。Y、「飢餓王」の翻訳、自分三宅さんの仕事。

四月一日(水曜)

ねむくねむく朝Yが起き出した様子をきいてうんざり泣きたいようになった。そこでとし子にしずかにしてくれとたのみ、十一時まで眠る。起きるとY、まだトウストもたべず、文鳥を一羽逃したと庭を見て居る。逃げた文鳥、すぐ縁側の近くまで来るが、それ以上近よらず。逃げのこった一羽立つ風でカゴの中から外を見ては鳴いて居た、その様子を見守り感ずることあり。明日野上さん来訪の予定、かたがた日本橋へ買い出しにゆく。その前に、仕事。三枚半。

四月二日(木曜)

暖い、うっとりしたような日だ。野上さん来、鼓の袋を縫いかけ、エンジ色に黒と白で海棠か何かの模様があるのをいじって居られた。お土産にお祝の時計。いろいろ文学の話――主として、芥川氏がこれからどう広がってゆき得るか、所謂新文芸のこと、里見※(「弓+享」、第3水準1-84-22)の自己陶酔に対する批評、野上さん自身の作の態度、私の作の態度等。