Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate

Aozora Bunko

いくら火箸でさぐっても、手ごたえがありませんし、たとえはさんでも、スルスルとぬけて行ってしまいます。

お母さんと一太郎君は、しばらくの間、火箸で灰の中を縦横無尽にかきさがしていましたが、いつまでたっても針は見つかりません。もうあきらめてしまう外はないように思われました。

一太郎君は火箸をおいて、しきりと考えていましたが、すると雲間から月が出るように、またしてもハッと名案が浮かんで来たではありませんか。

「アッ、お母さん、いいことがある。まっていらっしゃい。きっと僕が探し出して上げますからね」

一太郎君はそういったかと思うと、あわただしく自分の勉強部屋の方へかけ出して行きました。

読者諸君、おわかりになりましたか。一太郎君はいったいどんな名案を思いついたのでしょう。まだおわかりにならない方は、ここでちょっと本をおいて、一つ考えて見て下さい。

やがて一太郎君は勉強部屋から、何か小さな黒いものを持って、ニコニコしながらもどって来ました。

「お母さん、見ていらっしゃい。わけなく探し出せますからね」

一太郎君はそういって、その小さな黒いもので、火鉢の灰の中を、あちこちとかきさがしていましたが、やがて、