Classici giapponesi con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate
それから、サカンバチというのもある。屋根の瓦の下や、石がけなどに、小石をしっくいでぬりかためたような巣をつくる、人間でいえば、ちょうど壁をぬる左官と同じだね。だからサカンバチっていうのだよ。
このかわいいセメントの壺をつくるやつは、徳利製造の名人だから、そこでトックリバチというわけさ。この蜂はからだまで徳利みたいな恰好をしているんだよ。こんなふうにね」
伯父さんは、そこにあった紙に、鉛筆でトックリバチの図をかいて見せました。胸と腹の間が、ふつうの蜂よりも細くて、腹の形がちょうど徳利のように見えるのです。
「この蜂はからだの長さが一センチあまりしかない小さなやつで、この巣の徳利の中へ二匹も三匹も入れるくらいなんだよ。ほらね、だから、こいつは自分のからだの二三倍もある大きなセメントの壺をつくるわけじゃないか。それも一つじゃないんだよ。いくつでもつくるんだ。そして、一つの巣に一つずつ卵を生みつけていくんだよ」
「じゃあ、蜜蜂なんかとちがって、こいつは一人ぼっちで巣をつくるんですか」
「うん。そうだ。いい質問をしたね。これは仲間といっしょに働かない、一人ぼっちの蜂なんだ。