Classici giapponesi con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate
生みつけられた卵は、壺の中で殻をやぶって幼虫になり、たっぷり用意されている青虫をたべて、だんだん大きくなって行き、おしまいには親蜂と同じ成虫の姿になって、壺をやぶって、広い世界に飛び出すという順序だ。
人間のお母さんたちは、だいたり、おぶったり、お乳をのませたり、赤ちゃんを育てるのに、それはそれは御苦労をなさるのだが、トックリバチは、その苦労を、子供を生む前にすませてしまうのだね。
雨や風にあたらないよう、太陽の強い光に照らされないように、ちゃんと、安全なお家をつくっておいてやる。それから、お乳をのませる代りには、青虫をどっさりためておいて、子供が成長してしまうまで、少しもひもじい思いをしないように、何から何まで用意がしてあるのだ。その用意をするのが、母蜂の生涯での一番大きな仕事なんだよ。
十何匹の青虫は、赤ん坊が成長するまでの食料だから、途中で腐ったりしてはたいへんだ。いつでもいきいきしていなければならない。
そこで、トックリバチは、青虫の神経を刺して、からだをしびれさせておくだけでけっして殺しはしないのだよ。殺せばすぐに腐ってしまう。人間のお医者さまだって、こんなうまい注射はできやしない。