Classici giapponesi con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Leggi 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 67.333 caratteri · 134 schermate
みなさんも御承知のように、一太郎君は、物のわけを考えることが何よりもすきだったからです。
そこで、手をのばしたり、ちぢめたりして、月の大きさをはかりながら、一生けんめいに考えました。そして、五分ほどたちますと、何かいい考がうかんだとみえて、生き生きした顔色になって、さけぶように言うのでした。
「わかった。わかりました。なんでもないことなんです。目から遠いものは小さく見え、近いものは大きく見えるということです。あすこにたんすがあるでしょう」
一太郎君は、そう言って、お部屋の中のたんすを指さしました。
「あのたんすは僕の手の平よりも、何百倍も大きいでしょう。それでも、手の平を僕の目の近くへやると、あのたんすがかくれてしまうんです。手の平は、目に近いから、たんすより大きく見えるのです。手をもっと目のそばへやれば、たんすは指の先にだってかくれてしまいます。でも、あのたんすをここから見て、手の平ぐらいの大きさだなんて、誰も思わないでしょう。やっぱりたんすぐらいの大きさだと思っているでしょう。
月だってそれと同じです。ただ、月はあんまり大きくって、あんまり遠いから、たんすのようにほんとうの大きさがわからないわけです」