Classici giapponesi con furigana
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ほんじょみぞれがし
本所霙河岸
山本 周五郎
Leggi 本所霙河岸 (ほんじょみぞれがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.115 caratteri · 24 schermate
二の二
「――それはそうだけれど」
松枝は梅の枝を見上げながら、
「お断り申す口実がないのよ、これが町家であったら、嫌いだからで通せるかも知れないけれど、あたしは西脇源流の家柄を立てなければならぬ体ゆえ、ただ嫌いだからでは断れないわ」
「訳はございませんですよ」
お繁は意気込んだ口調で云った。
「秋山さまのことをおっしゃいまし、亡くなった旦那さまの思召でこの道場を継ぐのは秋山さまと定っていましたものを、なんの憚るところがございましょう」
「でも省吾さまは五年もお便りがないし、いつお帰りかそれも分らないではないの、ことによるともうこのまま……」
「いえそんなことがあるものですか、秋山さまはきっとお帰りなさいますわ、お便りがないのも御修業一念のせいに相違ございません、あのかたに限ってそんな」
お繁は急に言葉を切った。
道場のほうから恐ろしく大声に叫びたてる声が聞えてきたのだ。気がつくと稽古の竹刀の音も絶え、ひっそりとしたなかにその喚声だけが大きく反響している、――その声をしばらく聞いていたと思うと、松枝はさっと頬を蒼くしながら縁側へあがって行った。
二の二
「声が高い、奥へ聞えるぞ」